映画が私に教えてくれたこと

感想をつらつらと綴ります。

おっさんとJKの恋

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恋は雨上がりのように 2018.5.25 公開 出典

挫折した女子高生の年上男性との恋物語

タイトルすみません。本編で使われてる台詞をそのまま使いました。梅雨になるとやはり雨の映画を観たくなります。この映画は実際スクリーンで観てきた映画なんですが、もう三年も経つんですね。こうやってサブスクで観るとは思ってもみなかったです。でも、改めて観ると面白い。その頃は全く注目してなかった俳優さんが今じゃあ人気になってたり。ぁあ!!この人かってなって面白かったです。この物語は、ただ単に雨の日に出会った男女の恋愛ってだけではないんだな。まぁ二回り以上も歳が離れた恋愛なので特殊と言ったら特殊なんですが。でも今は年の差恋愛もそんな偏見ない時代になってますよね。やっぱり人間弱ってる時にスッと手を差し伸べてくれる人に救われるんでしょうか。弱ってるってわかってて手を差し伸べられるのはちょっと同情にも捉えちゃったりしますが、何にも知らずにサラっと温かい気持ちにしてくれる人といいますか。それがこの物語では大泉洋さん演じるファミレスの店長なんですが、それが年上となると益々そんな気持ちにさせちゃうのかなぁ。包容力がプラスされるといいますか。でも年の差恋愛ですが、キュンとくるポイントはどの年代の人と恋愛してもきっと変わらないんだろうなってのも垣間見れて楽しかった。小松菜奈ちゃん演じるあきらは最初の方こそ清野菜名ちゃん演じる親友のはるかに店長との恋愛を理解してもらえないんですが、ちょっとしたきっかけでその人の人間性に触れただけで見方が変わってきて、そういうとこも見た目や偏見で人を判断してはいけないなという事も改めて教えられます。周りはちょっとずつ理解してきたけど、距離を詰めれば詰める程お互い本当に向き合わなきゃいけない事に気付いてく。言い方は悪いかもですけど、逃げれば逃げる程現実が露わになる。って事です。

 

 

 

 登場人物&キャスト
  • 橘あきら(小松菜奈) :挫折を味わった女子高生。クールビューティーだけど好きな人の前だと乙女で素直。
  • 近藤正己(大泉洋):あきらがバイトしてるファミレスの店長。普段はみんなから中年扱いされてて煙たがられてる。
  • 喜屋武はるか(清野菜名):あきらの幼馴染で親友。あきらが挫折してから距離を感じてる。
  • 加瀬亮介(磯村勇斗):ファミレスで一緒に働いてるシェフ。あきらの事が気になってる。
  • 吉澤タカシ(葉山奨之):一緒にファミレスでバイトしてるクラスメイト。何をさせても失敗だらけだが憎めない愛されキャラ。
  • 西田ユイ(松本穂香):一緒にバイトしてる女子高生。店長の事をもろに中年おっさん扱いしてる。
  • 倉田みずき(山本舞香):あきらを変える物語の重要人物。
  • 久保(濱田マリ):一緒に働いてる。頼れる先輩、姉御的存在。
  • 九条ちひろ(戸次重幸):店長の大学時代の友人でライバル。
  • 橘ともよ(吉田羊):あきらの母。

 

 

スタッフ、その他

隠れた主役は…

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TOHOシネマズ長崎 2019.11.19 鑑賞

あらすじ

余命宣告を受けた専業主婦と女社長の旅の記録

 

またまた駆け込みムービー。この作品、本家知らないんですよね。知らずに観た方が楽しめるかなって思って。こういったリメイク版で本家を知らない場合は観た後に鑑賞します。違いを楽しみたい。吉永小百合さんの作品は映画にハマりだしてから公開されたのほぼほぼ観に行ってるんですが、相手役の人初めて違和感なく観れた気がします。それまでは仲村トオルさんや阿部寛さん等、ちょっと年齢離れすぎてない?て夫婦役とか恋仲の役では観てて違和感を感じてたんですよ。なんか禁断の愛みたいに見えちゃって。それが今回は前川清さん。違和感なくスッと物語に馴染んでました。以前にもこういった死と向き合う作品*1を綴りまして死ぬまでにやりたい事リストってとこが共通してるとこなんですが、こちらの作品は入院していた病院でひとりの少女が作ったリストを偶然手に入れて動いてます。そのリストを全制覇しようと。でも、そもそも自分じゃない人が作ったリストで楽しいのか?って思ったんですが実際作成しようとしたら中々思い付かないのかなぁ。きちんと病気を受け止めて気持ちの整理がついてからじゃないと無理なのかも。でもこの作品は人が作ったリストですが、一つ一つ達成する度にめちゃくちゃ楽しそう。しかもいろんなとこに行ってるので、綺麗な景色もスクリーンで楽しめました。でも景色で残念だったのが、私の地元長崎の景色。あの結婚式会場、夜はとても素敵な夜景が見れるのになぁって。近くに稲佐山*2があって、そこから見る夜景は新・世界三大夜景にも選ばれたりしたので夜景を使って欲しかったなぁ。それに撮影中ちょうどランタン祭り*3があってたみたいなので、ランタンの綺麗な景色も使えたのにー!て後でパンフレット見て思いました。でもあれですね。本編観てると、世の中お金があるからといって満たされる訳じゃないですよね。もちろん何でも不自由なく買いたいもの買うのは欲は満たされますけど。逆に普通の暮らしをしてる方が人間らしく生きれてる気がします。天海祐希さん演じる女社長は吉永小百合さん演じるいたってごく普通の主婦と出会い一緒に旅をする事で、本当の日々の楽しさを知ったんじゃないかな。そしてこの作品の隠れた主役は私的にムロツヨシかなって思いました。コメディ要素たっぷりのシーンは勿論、特に最後の吉永小百合さんとのシーンはほんと涙ものです。ムロさんの繊細な演技が凄く印象に残りました。

 

登場人物&キャスト

北原幸枝(吉永小百合)…人生を家庭に捧げてきた主婦

剛田マ子(天海祐希)…人生を仕事に捧げてきた女社長

高田学(ムロツヨシ)…マ子の秘書

北原孝道(前川清)…幸枝の夫

北原美香・若き日の幸枝(満島ひかり)…幸枝の長女

三木輝男(賀来賢人)…マ子の夫

神崎真梨恵(鈴木梨央)…幸枝・マ子にやりたいことリストを残す少女

北原一慶(駒木根隆介)…幸枝の長男

 

監督・脚本犬童一心 公開日:2019年10月11日

配給ワーナー・ブラザーズ映画 上映時間:115分

主題歌竹内まりや『旅のつづき』

 

*1:

no-cinema-no-life.hatenadiary.com

*2:福山雅治さんのご実家もこの付近。

*3:中国の旧正月を祝うお祭り。

初めての三谷ワールド

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ユナイテッドシネマ長崎 2019.11.18 鑑賞

あらすじ

記憶喪失になった総理大臣のそれまでとそれからの物語

駆け込みムービーです。今週で終わっちゃうので。自分でもびっくりしたんですが三谷作品初でした。テレビでたくさん観てたせいか映画館でも観てる気分でした。そしてテレビで観過ぎてるせいか三谷ワールド全開を期待してたんですが、政治のお話なのでちょっと抑え目な気がしました。政治に対して日頃無な私ですが三谷幸喜さんの作品でしたので興味が湧いたんですよね。しかもタイトルが斬新!政治家が使う便利な言葉っていうイメージ。でもこのタイトル、こちらの作品では全然意味が違ってきます。記憶を無くした事によって自分と向き合い見つめ直す。最初タイトル観ただけでめちゃくちゃ笑って、さっすが三谷幸喜って思ったんだけど実際本編観ると真面目。いや、笑える要素はたくさんあるんですよ。数々の不祥事を認める会見ではほんと笑いましたし。あれだけあっさり認められると笑って許せちゃう。逆に支持率上がると思うんですが。人って曲げれない部分とか頑固な部分とかありますけど、そういう事も含めて全てスコーンと忘れるとどうなっちゃうんだろう。全てをゼロにした時の感情が本当の自分なのかもしれないですね。

 

登場人物&キャスト

 

脚本と監督三谷幸喜 配給東宝

上映時間:127分 公開:2019年9月13日

 

ハンドメイド作家のバイブルと言われてますが

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繕い裁つ人 2015.01.31 公開

あらすじ

祖母が始めた小さな洋裁店を継いだ2代目の店主・市江を主人公に、洋裁を通してとりまく人々との交流を描いた物語。時代が移りゆく中で祖母の意思を受け継ぎ、「一生添い遂げられる服」にこだわって、その人だけの服を作り続けていく。Wikipedia 参照

 

観たかったけど観に行けなかった映画です。ミニシアター系なんですけど、地元公開されなかったんだよなぁ。で今回4年越しです、やっと観れました。この作品を知ったのは公開前ネットサーフィンで辿り着きました。観たいって思っていろいろ調べてたら監督が三島有紀子さん。好みが寄ってるんでしょうか。観たいと思う映画にだいたい三島有紀子さん作品あります。独特でなーんか観てると落ち着く映像美なんですよねぇ。しあわせのパン*1なんて最高過ぎますよ。それにしてもこの映画観てると思うんですが、好きな事で食べていくって誰もが憧れる事だと思うんですけど楽しいばかりじゃない。ま、楽しいばかりだと逆に飽きちゃいそうですが。迷いや色んな葛藤、悔しさ、それらを乗り越えてこそ人として成長出来るしまた違った景色に出逢える。この作品の主人公・市江さんは先代の想いを引き継いでお店を切り盛りしてるんですが、守らなきゃいけないものはしっかりと守る。夜会*2がその象徴のような気がします。先代がデザインして作った参加者のドレスやタキシードを市江さんが毎年夜会に合わせてその時の体型に合わせて仕立て直ししてそれを着て参加する。月日が経つに連れ体型が変わりゆく中、その人を一番輝ける様に惹き立つように仕立て上げる。それを身にまといその日の夜だけは仕事の事も家庭の事も何もかも全て忘れひとりの男・ひとりの女になり皆で踊り狂う。どのシーンも素敵ですが夜会のシーンが一番好きかも。この映画の本質を突いた部分だと思います。どう見ても今流行の量産型のファッションのお話ではないんですけど、鑑賞後は改めて洋服の魅力に気付かされる事間違いなし。かといってファッション好きやハンドメイドで物作りしてる方々縛りの映画かというとそうでもなさそう。日頃過ごしてる中での迷いや一歩前に進めず立ちすくんでる人、この作品を観ると少し背中を押してくれると思います。

 

登場人物&キャスト

  • 南市江(中谷美紀) 南洋裁店の2代目店主であり物語の主人公・かなりの頑固
  • 藤井(三浦貴大) 市江の服を必死にブランド化に漕ぎ着けようとする男
  • 牧葵(桐はいり) 市江が唯一服を卸してる店の店主
  • 葉子(黒木華) 藤井の妹・藤井が洋服に目覚める切っ掛けを作った人物
  • ゆき(杉咲花) 南洋裁店のお客・背が低い事を気にしてる
  • 泉先生(中尾ミエ) 唯一家族以外で市江に毒を吐ける人
  • 橋本(伊武雅刀) 百貨店専属の仕立屋
  • 南広江(余貴美子) 市江の母・団子屋?てくらい団子ばかり作ってる

 

監督三島有紀子  脚本:林民夫  配給GAGA

主題歌平井堅切手のないおくりもの

 

 

*1:「しあわせのパン」は、日本の映画作品。2012年1月21日に北海道先行公開され、同年1月28日に全国公開された。監督・脚本は三島有紀子で、長編では初監督作品である。主演は原田知世大泉洋 Wikipedia参照

*2:30歳以上が参加できる年に一度の南洋裁店主催のイベント。