映画が私に教えてくれたこと

感想をつらつらと綴ります。

残りわずかな時間との向き合い方

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死ぬまでにしたい10のこと 2003.10.25 日本公開 出典 映画.com

 

あらすじ

カナダのバンクーバーが舞台。幼い娘2人と失業中の夫と共に暮らすアンは、ある日腹痛のために病院に運ばれ、検査を受ける。その結果、癌である事が分かり、23歳にして余命2ヶ月の宣告を受けてしまう。その事実を誰にも告げないことを決めたアンは、「死ぬまでにしたい10のこと」をノートに書き出し、一つずつ実行していく。 Wikipedia 参照

 

この映画、2003年公開なんですね。私ギリギリ学生だ。その頃は映画に興味なかったなぁ。でもタイトルとあらすじは知ってたなぁ。それだけ人気が高かったって事ですよね。というか、タイトルが斬新だなって思ってどんな映画なんだろうって調べたんだっけ。でもここ最近なんですよね、死と向き合う映画を観れるようになったの。昔は若い頃は本当に観れなかったです。なんか観たら自分が死に近付いてる気がして。今は私自身もそんな時から年を重ね、これからの事を考えた時に自然と観れるようになりました。それからいくつかの作品を観てきましたけど、こちらの作品は主人公が物凄くしっかりしてる。23歳という若さで余命2ヶ月を宣告され絶望の中、これからの家族のこと自分のこと、普通だったら考えれない。まず冷静になるまで時間が必要だと思う。自分がいなくなった後の事までしっかり考えたリスト作成。その中には周りのことだけじゃなくて自分のことも。母として女性として余生を過ごす。この作品は早すぎる女性の死が描かれたストーリーでこんな言い方は不謹慎かもしれませんが、死ぬ準備をしっかりしてる。いなくなった後も周りが幸せに暮らせるように。そんな優しくてしっかりしてて自分のことも忘れない、短い期間を精一杯生きたひとりの女性の物語です。

 

登場人物&キャスト

  • アン・マトランド(サラ・ポーリー):大学の掃除員で二児の母。この物語の主人公。
  • ドン・マトランド(スコット・スピードマン):アンの夫。優しいが甲斐性はない。
  • ペニー・マトランド(ジェシカ・アムリー):アンが17歳で生んだ娘。
  • ペッツィー・マトランド(ケンヤ・ジョー・ケネディ):アンが19歳で生んだ娘。
  • リー(マーク・ラファロ):測量技師。アンの最後の恋の相手。
  • ローリー(アマンダ・プラマー):アンの仕事仲間。ダイエット中毒。
  • 隣人のアン(レオノール・ワトリング):看護師。越してきたばかり。
  • 美容師(マリア・デ・メディロス):アンにしつこくブレードをすすめてくる。
  • トンプソン医師(ジュリアン・リッチングス):アンの主治医。アンからテープを託される。
  • アンの母(デボラ・ハリー):悲観的な性格。
  • アンの父(アルフレッド・モリーナ):刑務所に収監中。  Wikipedia参照

 

監督・脚本:イザベル・コイシェ  配給:松竹

上映時間:106分  字幕:古田由紀子

最期に何かを残したい

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あなたの旅立ち、綴ります 2018.2.24 日本公開


あらすじ

自分を曲げない成功者のおばあさんが、自分にいい訃報記事を書いてもらう為に若い女性記者に依頼する物語。自分勝手な婆さんに振り回されながらも人生の大先輩に刺激され、世代を超えた友情を築いてく。

 

この映画も観たかったけど観に行けなかった映画、Part2です。そんな映画多いなぁ。それで後でこうやって観てスクリーンで観るともっとよかったんだろうなぁって後悔するタイプ。この映画はですね予告をYouTubeで観てたんですよ。なのになぁーんで観に行かなかったんだろう。はぁ~、すっごく残念。そんな事はさて置き、こちらの映画、訃報記事を生前から依頼するって!て思いましたよ、最初。でも今エンディングノート書く人いるみたいなのでこういったケースもおかしくない時代になってきてますよね。にしてもこのおばあさん(ハリエット・ローラー)、依頼した割りには周りの人にまーったく好かれてないからいい訃報記事なんて書ける訳ないんですよ。そこから始まる物語なんですが、いい記事にするために奮闘するする。施設に行って自分と馬の合う子を見つけ、後に一緒に行動したり。でもその子(ブレンダ)がほんとハリエットと相性抜群なんだよなぁ。お互い楽しそうですもん、一緒にいて。何か最初はいい記事にする為にありとあらゆる事をしていくんですが、最終的にやりたい事を思いのまま気が済むまでやってるような気がしました。ハリエットの事を最初かなり煙たがってた女性記者(アン・シャーマン)も接するにつれ彼女に対する見方が変わってきます。そして記事にしていきます。今までの依頼された訃報記事は依頼者の近辺取材で書かれた記事で、て亡くなった後に依頼するのでそれしか方法はないんですが、今回の依頼は生前でしかも依頼者が一筋縄ではいかないような人物。でも生前依頼だからこそ本人に取材を続け深く関わり、周りの人達よりも彼女の事を理解し一緒に過ごす時間を楽しむようになる。そして別れが訪れて葬儀でアンが訃報を読むんですが、家族でもなければ年齢もだいぶ上、付き合いも短い、でもハリエットと出会い短かったけど密な時間を過ごしたからこその素敵な訃報で、見送られたハリエットはとても幸せだったと思います。“死”は必ず訪れる。事故ではない限りその時が来るまでどんな人生を送るかは自分次第、って事です。

 

登場人物&キャスト

  • ハリエット・ローラー(シャーリー・マクレーン) 会社創設者で広告業界で成功を収めた元社長。自分にはNOがないってくらい我が強い。
  • アン・シャーマン(アマンダ・セイフライド) ハリエットに振り回される女性記者。自分に自信が無く本当にやりたい事が出来ずにいる。
  • ブレンダ(アンジュエル・リー) 施設にいたがハリエットに見出され後に一緒に行動することになる。
  • エリザベス(アン・ヘッシュ)ハリエットの娘。何十年もハリエットと会ってない。
  • ロビン・サンズ(トーマス・サドスキー) アンが聴いてたラジオのDJ。選曲、トークスキルは音楽好きラジオ好きのハリエットに称賛されてる。
  • エドワード(フィリップ・ベイカー・ホール) ハリエットの元夫。嫌い嫌いと言いながらも誰よりもハリエットの事を心配し愛してる。
  • ロナルド・オロム(トム・エヴェレット・スコット) アンがライターとして勤めてた会社の上司。会社の名誉を守るためにハリエットの依頼を受けアンに丸投げする。

 

監督:マーク・ぺリントン 脚本スチュアート・ロス・フィンク

字幕:今井祥子 配給ポニーキャニオン 上映時間:108分

 

いぬ映画の決定版

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ベートーベン 1992.12.5 日本公開

あらすじ

犬泥棒の元から逃げ出した一匹のセント・バーナードの物語

 

これ観たのもう20年以上前ですよ。私的には元祖いぬ映画はこれしか浮かばない。公開は1992年ですが映画館で観た訳ではなくてテレビで観たと思うので、調べたら金曜ロードショーで1995年放送されてたのでその時以来ですね。昨今動物映画が続々と公開されてますがその走りと言っても過言ではないこの作品。ストーリーが薄っすらとしか覚えてなく…完全なるコメディとしか認識してなかったんですが間違いでした。コメディ要素はたくさんなんですが何ですかね、ハートフルコメディです。これもTSUTAYAの80円レンタルでちょうど3連休甥っ子姪っ子が泊まりに来るので借りたんですが大正解。母と私と4人で観たんですが大爆笑。笑うポイントも皆一緒。大人も子供も楽しめます。大人は懐かしみながら子供はワクワクしながら飽きる事なく最後まで楽しめます。やはり名作は色褪せないですね。始まりはペットショップにいる子犬の頃からの物語なんですが、子犬の頃のベートーベンがこれまた可愛すぎる。コロッコロで堪らない。上の貫禄たっぷり(失礼)の画像からは想像もつかない可愛さ。そのペットショップで犬泥棒に盗まれ運よく逃げ出せて迷い辿り着いた先がニュートン一家の下なんですが、そこのお父さんがこれまた犬嫌い。犬って人間が自分の事嫌ってるとかわかるんでしょうか。他の家族には全然なんですけどそのお父さんにだけいたずらばかりするんです。でもねぇ、何かそれわかる気がします。昔我が家もMix犬なんですがジャーマンシェパード寄りのおっきめの犬を飼ってて同じような事あったんですよね。セールスマンがやってきた時に、って今はセールスマンとか言わないか…古っ!営業の人が来た時に外犬だったんですがその日たまたま雨で玄関に入れてて、必死に断ってる母をどうにか助けようとしたのか、それともその飼ってた犬もただただ営業マンがウザかったのか、その営業マンの傘におしっこをジャー…。母は笑いを堪えながら「犬も嫌がってるんで帰って下さい」という始末。それでも「(傘の事は)気にしないで下さい」と下がらない営業マン。そしたらまた犬がジャーともう一発。流石に諦めて帰りましたがその時の事は今でも母は覚えてるみたいでたまに話しますね。なので犬って賢い生き物なんだなって思います。ベートーベンもそう。始めは嫌ってるお父さんにだけ嫌がらせ的ないたずらばかりしてるんですが後々愛のあるいたずらに変わり、後にそのいたずらが家族を助ける事になったり。やはり特に子犬の頃から飼ってるせいか人間と共にしてる時間が長い分犬も人間に寄り添ってくれる。で~もベートーベンのいたずら面白いんだよなぁ。痛快とはこういう事かってくらいスカっとさせられたり。何かこの映画5シリーズまであるみたいなので全部観たいですね。

ハンドメイド作家のバイブルと言われてますが

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繕い裁つ人 2015.01.31 公開

あらすじ

祖母が始めた小さな洋裁店を継いだ2代目の店主・市江を主人公に、洋裁を通してとりまく人々との交流を描いた物語。時代が移りゆく中で祖母の意思を受け継ぎ、「一生添い遂げられる服」にこだわって、その人だけの服を作り続けていく。Wikipedia 参照

 

観たかったけど観に行けなかった映画です。ミニシアター系なんですけど、地元公開されなかったんだよなぁ。で今回4年越しです、やっと観れました。この作品を知ったのは公開前ネットサーフィンで辿り着きました。観たいって思っていろいろ調べてたら監督が三島有紀子さん。好みが寄ってるんでしょうか。観たいと思う映画にだいたい三島有紀子さん作品あります。独特でなーんか観てると落ち着く映像美なんですよねぇ。しあわせのパン*1なんて最高過ぎますよ。それにしてもこの映画観てると思うんですが、好きな事で食べていくって誰もが憧れる事だと思うんですけど楽しいばかりじゃない。ま、楽しいばかりだと逆に飽きちゃいそうですが。迷いや色んな葛藤、悔しさ、それらを乗り越えてこそ人として成長出来るしまた違った景色に出逢える。この作品の主人公・市江さんは先代の想いを引き継いでお店を切り盛りしてるんですが、守らなきゃいけないものはしっかりと守る。夜会*2がその象徴のような気がします。先代がデザインして作った参加者のドレスやタキシードを市江さんが毎年夜会に合わせてその時の体型に合わせて仕立て直ししてそれを着て参加する。月日が経つに連れ体型が変わりゆく中、その人を一番輝ける様に惹き立つように仕立て上げる。それを身にまといその日の夜だけは仕事の事も家庭の事も何もかも全て忘れひとりの男・ひとりの女になり皆で踊り狂う。どのシーンも素敵ですが夜会のシーンが一番好きかも。この映画の本質を突いた部分だと思います。どう見ても今流行の量産型のファッションのお話ではないんですけど、鑑賞後は改めて洋服の魅力に気付かされる事間違いなし。かといってファッション好きやハンドメイドで物作りしてる方々縛りの映画かというとそうでもなさそう。日頃過ごしてる中での迷いや一歩前に進めず立ちすくんでる人、この作品を観ると少し背中を押してくれると思います。

 

登場人物&キャスト

  • 南市江(中谷美紀) 南洋裁店の2代目店主であり物語の主人公・かなりの頑固
  • 藤井(三浦貴大) 市江の服を必死にブランド化に漕ぎ着けようとする男
  • 牧葵(桐はいり) 市江が唯一服を卸してる店の店主
  • 葉子(黒木華) 藤井の妹・藤井が洋服に目覚める切っ掛けを作った人物
  • ゆき(杉咲花) 南洋裁店のお客・背が低い事を気にしてる
  • 泉先生(中尾ミエ) 唯一家族以外で市江に毒を吐ける人
  • 橋本(伊武雅刀) 百貨店専属の仕立屋
  • 南広江(余貴美子) 市江の母・団子屋?てくらい団子ばかり作ってる

 

監督三島有紀子  脚本:林民夫  配給GAGA

主題歌平井堅切手のないおくりもの

 

 

*1:「しあわせのパン」は、日本の映画作品。2012年1月21日に北海道先行公開され、同年1月28日に全国公開された。監督・脚本は三島有紀子で、長編では初監督作品である。主演は原田知世大泉洋 Wikipedia参照

*2:30歳以上が参加できる年に一度の南洋裁店主催のイベント。

今更ですが…

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ローマの休日 KTN長崎 2019.10.08 放送

この作品、最初から最後までじーっくり観たの初めてかもしれないです。名作中の名作、誰もが知ってる作品。テレビで何回も紹介されてて自分の中では観た感覚でいました。というか多分観てる事は観てます。小学生の時くらいに金曜ロードショーとか他のチャンネルで放送されてるのを観た気がします、うん。でもその頃はほんと幼すぎてオードリー・ヘップバーンの事は名前知ってるくらいでそこまで興味なかったんですよね。小学校低学年くらいだったかなー。そんな事はさて置き、なぜに今この作品を観たのかというと、もう始まってるんですが今地元の美術館でオードリー・ヘップバーン展が開催中なんです。もちろん私も行くんですが、その展覧会を記念してだと思うんですが地元のテレビ局で放送されたんです。真夜中でしたが。でも今の時代オードリーの作品を地上波で観れるってほんとそうない事ですしモノクロ映画も普段観ないので頑張って起きて観てみました。画質は昔の映画を今の時代のサイズ・デジタルリマスター版ではなく当時のまま8mmビデオっていうのかな、映像も終始ざらざら感が出てて逆に味があって当時リアルに観た人達はこんな感じで観てたんだってタイムスリップした気分になりました。デジタルリマスター版が観やすいっていえば観やすいんですが、当時のそのままの映像で観れるのも貴重ですよね。因みに上に貼ってるチラシは公開初期の物ではなくてリバイバル上映された時のらしいです。こうやってつらつら綴ってて前置きが長くて全然ストーリーの感想を言ってないなーって感じてるんですが、何ですかね、上流階級の方達は何不自由なく過ごしてはいるんだけどその分私達一般ピーポーみたいに何するにしても自由が利かない。きっと昔も今も王室皇室は変わらないんじゃないかな。何と言っても公務が多すぎる。若い頃から。でもそれをやってるんだよなー、日本の皇室の方々も。だから私達庶民は平和に暮らせてるんですよね。それにしても物語のアン王女は海外公務が多すぎる。兄弟いないの?ってくらいひとりで世界中を行ったり来たり…そりゃ逃げたくもなるわ。それでも笑顔で国民の前に立って手を振り続ける。はたから見ると簡単そうですが、実はとっても大変な事。でもアン王女が天真爛漫で見てて親近感が湧くところがちょこちょこありました。パーティー中ずっと突っ立ってて足がしびれて片方ヒールをそーっと脱いだり。あはは、わかるわかる、しびれるよねーってほんわかしながら見たり。私達が頑張ったご褒美とかで外食したりいい物買ったり。細やかながらの幸せを感じたりしますが、ああいう上流階級の方々は、なんてことない日常、私達からすると普っ通の事が幸せで楽しくて嬉しいんですよね。髪をバッサリ切ったりアイスを食べたりスクーターに乗ったり。ほんと些細な日常の事。王室抜け出してたった一日の出来事なんですが、開放感に溢れてて観てる側までもがスッキリ楽しい気分になりました。それにやっぱりオードリー・ヘップバーンが美しすぎる。笑顔はもちろん寝顔も怒った顔も表情全てキュート。ずーっと見てられます。美しいって素晴らしい。でも今回本当今のタイミングでこの作品を観れてよかったです。オードリー・ヘップバーンの魅力を改めて知れました。展覧会まだ行けてないんですが今からワクワクです。

 

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チラシ画像を捜してる時に見つけたアメコミ風のチラシ。ん?チラシなのかな、ポスターなのかな。可愛くてお洒落なので記念にペタペタ。